アメーバ VS シュースト

これは嬉しい誤算なのだが、先日散布したアメーバが急遽活動を再開したので今日は緊急で実験を行ってきた。あまり心と器具の準備が出来ていない中で開始した実験は案の定時間がかかり、本日研究室を去るのはちょうど23時半を回ったところだった。

このくらいの時間になると、あえて遅くまで残って自身の有能さを誇示する輩もいなくなり、辺り一帯は疲れた顔のおじさんだけが残っている。無論、私もその一人である。

 

研究の話

私の専攻はアメーバの研究(本当は若干異なるのだがコンプライアンスの事情によりこう記載する)であり、日中はだいたいアメーバの世話をしながら過ごしている。

バイオの研究室出身者なら容易に想像がつくと推察するが、研究室内におけるヒエラルキーは「研究対象>>>>>>>>>>学生」である。故に、こと論文作成においては私はアメーバに仕えなければならない。アメーバの機嫌次第で奨学金免除や国際学会参加が決まるので、なるべくゴマを擦っていく所存である。

 

アメーバとは学部時代からの仲だが、今まで色んなことがあった。23時間連続で実験をさせられたり、大切な予定を破壊されたり、彼らとの間にはあまりいい思い出がない。

しかし、それでも時々見せる彼らの多彩な動きには癒されるものがある。その場で振動し続けるものや、くねくねしながらまっすぐ進むもの。多種多様である。中でも私のおすすめは常に振動しながら四方八方へ高速で動き回るタイプだ。

あの落ち着きのなさが、良い。

 

日常の作業はルーチンワークが大半で、あまり変わり映えはしないのだが、モチベーションを維持するためにもなるべく目的や楽しみをもって飽きずに取り組むようにしたいと最近は考えている。アメーバ研究は採取、培養に始まり何かと時間のかかる作業が多いのでモチベーションが大切である。

しかし、何かと長い実験をしている一方で、研究を経て身に着けた技能はせいぜい「顕微鏡下で同じ大きさの砂粒とアメーバを一瞬で正確に見分けることが出来る」という技能くらいである。

はたして修了した後に、この技術を生かす場面は来るのだろうか...。